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クォーツストーンと天然石の違い。なぜ人工素材の方が高価なのか、実務で使い分けるための3つのポイント。

【素材選びの疑問】天然と人工、どちらを選ぶべきか

キッチンのワークトップや家具のカウンターを選定する際、「自然が作った天然石の方が、人の手で作った人工素材(クォーツストーン)よりも高価である」というイメージをお持ちの方は少なくありません。

しかし実際の建築実務においては、クォーツストーンの方が製品価格として高額になるケースが多々あります。これには、高い製造技術や、天然石の弱点を克服するための裏付けがあるからです。

今回は、加工屋の目線から、クォーツストーンと天然石の決定的な3つの違いを解説し、なぜクォーツストーンが現場で選ばれ続けるのかを紐解きます。

1. 水回りでの扱いやすさを左右する「吸水率」の違い

最大の違いは、水分や汚れに対する「強さ」のメカニズムにあります。

  • 天然石
    御影石や大理石などの天然石は、一見すると頑丈ですが、物理的には目に見えない微細な穴(空隙)が無数に空いている「多孔質」な構造をしています。そのため、醤油や油、水分を内部に吸い上げやすく、放置するとシミや変色の原因になります。水回りで長く美しく使うためには、定期的なコーティング処理などのメンテナンスが欠かせません。
  • クォーツストーン
    天然の水晶(クォーツ)を約90%含みながらも、高度な製造技術によって極めて吸水率の低い高密度構造を実現しています。吸水性が極めて低いため、ニオイの元となる汚れが素材の深部まで浸透しにくいのが特徴です。頻繁な薬剤メンテナンスを必要とせず、「日常管理のしやすさ」を維持できる点が、実務において非常に高い評価を得ています。

2. 理想のサイズを叶える「原板の大きさ」とジョイント(繋ぎ目)

デザインの自由度、そして現場での施工性においても構造的な違いがあります。

  • 天然石
    地球が長い年月をかけて作った一点ものであるため、均一な品質で、なおかつキッチン天板に使用できるような巨大な一枚モノの原板(大盤)を安定して確保することが困難です。そのため、大型のカウンターなどではどうしても複数の板を細かく繋ぎ合わせる必要があり、結果として現場での繋ぎ目(ジョイント)が多くなってしまいます。
  • クォーツストーン
    工業製品として一定の規格を持った大盤(原板)の製造が可能です。もちろん、現場への搬入経路や配送時の破損リスクを考慮した適切な分割設計は不可欠ですが、天然石に比べてジョイントの数を抑える設計はしやすい傾向にあります。しかし、大型のカウンターや現場への搬入経路、配送時の破損リスクの兼ね合いによっては、やはり現場での分割ジョイントが必要になる場合があります。
    また、非常に高密度な硬質素材の特性上、接合部は意匠的に繋ぎ目が目立つことがあるため、設計段階において、空間のノイズにならない適切なジョイント位置を事前にご計画いただくことを推奨いたします。
    ダイワ建材では、小口断面のガタつきを抑える工場での高精度なカット(湿式加工)により、現場でのジョイント作業を技術的側面から支援いたします。

3. 図面通りの空間を約束する「柄の再現性」

設計段階、そして施主様との合意形成において最も重要なのが「意匠のコントロール」です。

  • 天然石
    「切ってみるまで内部の柄(石目や色ムラ、亀裂)が分からない」という不確定要素が常に付きまといます。事前にショールームで原板を確認していても、実際にカットした部位によって表情が大きく変わってしまい、納品後に施主様とのイメージ相違に繋がるリスクがあります。
  • クォーツストーン
    天然石の豊かな風合いを備えながらも、柄の出方に高い再現性があります。カタログや小さなサンプルで見たイメージと、実際に現場に納まる製品とのギャップが小さく、図面段階での正確なシミュレーションが可能です。

【まとめ】適材適所の選定が、空間の価値を高める

天然石が持つ、唯一無二の経年変化や圧倒的な気品も素晴らしい個性です。しかし、毎日の調理や水仕事における耐久性、そして設計・施工の手戻りを防ぐための安定性を重視するならば、クォーツストーンは非常に合理的で価値のある選択肢となります。

ダイワ建材は、流行や表面的なデザインだけでなく、素材それぞれの物性を踏まえた不適合リスクの検討を欠かしません。どの素材がその現場に最適か迷われた際、技術的な知見から具現化を支援いたします。

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